祝日の朝、ばーちゃんが手打ちパスタの準備をし始めました。一昨年に1人で暖炉用の薪を運んでいて、折れたのが先か?コケたのが先か?分からないけれど大腿骨を骨折し、一時寝たきりになったものの、懸命のリハビリで復活、今はヘルパーさんが住み込みでいるけれど、パスタ作りはまだまだ現役。
計量は全くなしで、小麦粉をドバッと台にひっくり返し、真ん中にくぼみをつけて卵を投入。材料はこれのみ。それを慣れた手つきでこねていきます。

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圧巻は、長い麺棒を使って生地をのばしてゆくところ。私も手打ちパスタはするけれど、生地を小さくちぎって何回かに分けてじゃないと、とてもじゃないけど技術もないし、結構腕も疲れるもの。それをばーちゃんは、体にしみついた動きで、流暢に生地を均一に薄く伸ばしてゆく。その姿をじっと見て、技を盗もうと必死の私(笑)。

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そしてできあがった、ばーちゃんのタリアテッレとマンマのラグーソースのプリモ。これがないと、祝日のランチは始まらない。何とも言えないコシと舌触りは手打ちパスタだからこそ、いや、私の手打ちではここまでの味わいには届かない・・・まだまだ修行が足りん!

15年ほど前にこの村に初めて来た頃、日曜や祝日の朝は、どこのばーちゃんもこうして手打ちパスタ作りに励んでいた。道を歩きながら、どこのお宅の窓からも見えるその姿に、鳥肌が立つほど感動したのを今でも鮮明に覚えている。そして、どこのばーちゃんも年老いて、パスタを打つその姿を見ることが各段に減った今、この貴重なイタリア女性の遺産を何とか少しでも継げるように、と密かに心に決めている。

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これは昨年のトルテッリ作り、ばーちゃんの横で生地で遊ぶ次男。私も数十年後、ひ孫とこうして遊びながら、元気にパスタを打てるばーちゃんになっていたいなぁ。