イタリア・トスカーナ専門コーディネイターのトスカーナ田舎暮らし

日常生活から仕事、イタリアの笑えない話など、人口1800人のド田舎から日々の生活を綴ります。

ロマネスク様式

どんな小さな場所にも、歴史は脈々と流れている

先日のおらが村トレッキングネタが続きます。

トレッキングのテーマは「遺跡」、ということで、今回は考古学ガイド付き!
ガイドのマルタさんは、おらが村の隣町出身ですが
悪魔の橋のあるボルゴ・ア・モッツァーノ在住でガルファニャーナのガイドが多いそうですが
故郷であるこの地域にもかなり詳しい模様。

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おらが村の名前の由来は「波」、というのも、この地域は水が豊富で、
水車を利用して山で捕れる栗を粉にしたり、多くの力を生み出してきたそうです。

休暇の家」を通り越し、更に山へ登る途中にある、樹齢300年のコルクの木。

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この辺りは皆、農業をしており、ここにいたワインやオイルの生産者が
この木からコルクを作っていたそう。
しかし、近年の都会への流出で人は離れ、この木もそのまま放置されたまま・・・

コルクになる木は温度も必要だそうで、こんな高地では珍しいこともあり
保護自然物に指定されているそうです。

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ここは記憶があいまいなのですが、この土地の歴史を編纂するために赴いた
古文書編纂家がこのヴィラに住んでいた時に、かつてのゴシック様式の窓を作らせた
・・・とか、建築様式や、時代によって内面・外面のどちらに重きを置くかなど
歴史の観点が違うお話・・・ウーン、メモを持って行っておけばよかった!

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カテリーナの家系であるゴーリ家は、近年この辺りの領主であり
1900年代には2人が市長になるという、おらが村では有名な一家です。
そのヴィラも、昔は豚小屋やら、作業工房、領主家の人々の娯楽とな小劇場などを兼ねていました。

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現在のおらが村ができるまで、この地域の中心的な地区だったサン・レオリーノ。
中に入ることはできませんでしたが、特徴的な3つの後陣がかわいかったです♥

そして今回のハイライトは、サン・レオリーノの城跡。
ほとんどが存在しないのですが、森の奥に、城の主門があった壁が残っています。

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1100年頃の記録には、すでに城の存在は記載さえていたほど古いもの。
1367年にフィレンツェ共和国からグイーディ家の領地として割り当てられます。
しかしその後グイーディ家の謀反により、フィレンツェ共和国の監視下に置かれた後、
ポッピ(お城が残り、イタリアの最も美しい村にも選ばれています)小教区に割り当てられ・・・
この時代の貴族・有力商人家系などの力関係やイタリアの小国乱立期のお話、
一応それを卒論のテーマとした私としては、プチ興奮状態=3=3=3
つい最近TVドラマで見たメディチやアルビッツィの名前が出てくると
ハマっていた長男も目をキラキラさせて聞いていました。

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その後は、地下に続く井戸や

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所々に残る城壁を見ては、この城があったころに思いを馳せ・・・

でも一番感動したのは、今はこの土地の所有者のおじさんが見せてくれた地図!

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ぱっと見、子供が書いた絵みたいですが、1200年代の地図なんですって!
そこにもしっかり、サン・レオリーノの名前と、当時の重要地の名前と城の絵が。
そして、さっき見た教会だけど、正式認可された教会なんですか?と参加者が聞くと
「もちろん、僕はあそこで結婚したんだよ」とおじさん。
今は扉を閉ざされて誰も入れない教会ですが、そんな時代があったなんて・・・
快く私有地を解放して、お話しをしてくれたおじさんにも感謝!

おらが村は超マイナーな小さな村、しかし、その領域にかつて名をはせた城があったとは・・・
おらが村を深く知り、まだまだ発見をしたくなる、そんなトレッキングイベントでした。


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ロマネスク様式の教会が熱い?~テーマのある旅

昨年、そしてつい最近、ロマネスク様式の教会を見ることを目的に
トスカーナへいらっしゃるお客様がいらっしゃいます。
両者が行かれた(行かれる)のがモンタルチーノ近郊のサンタンティモ修道院。 

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私も大好きな修道院、キリスト教徒でなくとも心が洗われるよう。
ミサでは、修道僧さんたちのグレゴリオ聖歌も拝聴できるし、
後ろの原っぱではま~ったりと典型的トスカーナの風景を見ることもできる!
昨年の方は敬虔なカトリック教徒の方で、その前にもここに宿泊もされました。

旅行の目的って人それぞれですが、
「とにかく有名な観光ポイントを見て回りたい」
「あの美術館に行きたい」
「買い物!」
などが一般的かもしれませんが、最近はもっと具体的な方が多い気がします。

今回のロマネスク様式の教会を巡る旅から、
陶器絵付け学校に行って陶器の町を巡る旅、
オルチャ渓谷の「あの景色」を巡る旅、
キアニーナ牛、チンタ豚、ポルチーニ茸、白トリュフを食べる旅、
などなど。

私もこういう依頼を受けて、ほ~そんな需要が!
と新しい発見をさせてもらってます。
今回も、サンタンティモ修道院と合わせて行けそうな
シエナ県のロマネスク教会をリサーチしてみました。

アイキャッチ

サン・クイーリコ・ドルチャ のコレッジャータ

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アッバディア・サン・サルヴァトーレ の サン・サルヴァトーレ修道院

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サンガルガーノ修道院はゴシックやけど、
その上にあるモンテシエーピ教会はロマネスク・・・まん丸でカワイイ♡

回廊付き中庭が美しいシエナ近郊のトッリ修道院は、
私もまだ行ったことなく、サンガルガーノ&モンテシエーピ再訪時に寄りたい!
そしてピエンツァ近郊のサンティ・ヴィート教会も前から行きたいところ。
・・・私も行きたいので、プラン組もうかな?
何だか1人で妄想して、楽しくなってきてもうた(笑)

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くみこ

フィレンツェ郊外の田舎にダンナ&息子2人で暮らす。通訳・翻訳、トスカーナ専門のコーディネイター・ライターの仕事をしつつ、愛着を持つトスカーナの田舎や小さな村、イベント、郷土料理レシピなどを発信・個人旅行の提案を行うサイト・トスカーナ自由自在を運営。
デカい・黒い・よくしゃべるので、日本人には見られないコテコテ関西人。

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